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各種情報

用語集

あ行

遺産分割

人が死亡し相続が開始した場合、相続人が複数名いるときには、遺産は共同相続人全員の共有(一個の所有権を数人が量的に分有する形態)あるいは合有(共同所有の一形態で、潜在的な持分権は共有と同様に持っているが、持分権の処分や分割請求に一定の制限がある)となっているとされています。

意思能力

社会的活動である売買や貸借などの法律行為をするに当たって、その行為の結果を合理的に判断できる精神的能力のことをいい、別な言葉でいうと、通常人の持つ正常な判断能力のことをいいます。
人はすべて生まれながらに権利の主体となる資格を持っていますが、社会的活動をするには、精神的能力が必要です。
この意思能力を持たない者の行為は、理論上、法律効果は生じないのですが、意思能力の有無を知ることは、非常に困難であるので、民法は形式的画一的に未成年者や成年被後見人などが単独でした法律行為は取り消せるものとしています。

医療ソーシャルワーカー

法律上定義された資格ではありませんが、病院やリハビリテーション治療施設などで、生活上の問題について患者や患者の家族の相談に応じる社会福祉の専門職のこと。
医療機関をベースにしてソーシャルワーク(福祉)的なアプローチによって、患者や患者の家族の不安を取り除き、安心して治療を受けられるようにサポートします。

印鑑証明書

印影(印鑑を押した跡の形)が、あらかじめ届けてある印鑑と同一であることを証明する官庁・公署の書面のこと。
たとえば、公正証書の作成や不動産登記のような重要な取引の際に文書の作成者が本人に違いないことを証明するために必要とされ、その有効期間は取引上3カ月とされることが多いようです。印鑑届のある個人の印章を実印といって、認印と区別します。
15歳末満の者と成年被後見人については、印鑑の登録を受けることはできません。

親なき後問題

障害のある者を子に持つ親の病気や高齢、死亡によって、親の支援が期待できなくなった後、障害のある者の支援をどのようにしていくのかという、極めて深刻な問題のこと。
親として、障害のある子の将来を保障したい、その願いが「成年後見制度」の活用によって、かなえられることが求められています。

か行

介護支援専門員(ケアマネージャー)

介護保険のサービスを利用する人などからの相談に応じ、利用者の希望や心身の状態等を考慮して、適切な在宅または施設のサービスが利用できるように市町村、在宅サービス事業者、介護保険施設等との連絡調整を行う人のこと。
専門員は、サービスを利用する者が自立した日常生活を営むために必要な援助に関する専門的な知識・技術を持った人です。具体的には、医師、歯科医、薬剤師、保健婦、看護婦、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、社会福祉士、介護福祉士等をはじめとする保健・医療・福祉サービスの従事者のうち、一定の実務経験があり、試験に合格した後、実務研修を終了した人です。

介護福祉士(ケアワーカー)

「CW(care worker)」
社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上・精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある人の入浴、排せつ、食事その他の介護を行い、その人や介護者に対して介護に関する指導を行う専門職の国家資格者のこと。(社会福祉士及び介護福祉士法第2条2項)
社会福祉士がソーシャルワーカーと呼ばれるのに対し、介護福祉士は、ケアワーカーと呼ばれます。
職種の具体的なものとしては、福祉施設では、老人ホーム、身体障害者更生援護施設の「寮母・寮父」と呼ばれる介護職、在宅では、高齢者・心身障害者関係の「ホームヘルパー」などがあげられます。また、介護職としての専門性を生かして、在宅介護支援センターの職員などのように相談に当たる場合もあります。

介護療養型医療施設

療養上の管理、看護、医学的管理下における介護等の世話及び機能訓練その他必要な医療を行う施設のこと。
入院するほどではないものの、継続的に医療サービスを受けながら長期療養する必要がある人のための施設です。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設と並ぶ介護保健施設です。療養型病床群、介護力強化病院、老人性痴呆疾患療養病棟の3種類がありますが、介護力強化病院は平成15年3月以降介護保健施設の対象から外されます。

介護老人保健施設

病状の安定した高齢者に対して、リハビリテーションなどの医療ケアと生活サービスを提供する施設のこと。
急性期の治療の終わった高齢者の家庭復帰への橋渡しの機能を果たすための施設です。介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護療養型医療施設と並ぶ介護保健施設ですが、あくまで在宅復帰を目指した施設であることが特徴です。

貸し金庫

金融機関等が大金庫室の内部に多数の保管函を設置し、一定の使用料を取って顧客に使用させるもののこと。
後見人は、本人の財産を安全な方法で管理し、本人に損害を与えることがないようにする義務を負っています。そのため、有価証券・高価な貴金属・不動産権利証など重要な財産については、金融機関等の信用性の高い貸し金庫を利用して保管する必要があります。

家事審判官

家庭裁判所において家事審判法で定める事項を取り扱う裁判官のこと。

家事審判法

個人の尊厳と両性の本質的平等を基本として、家庭の平和と健全な親族共同生活の維持を図ることを目的とする法律のこと。
家庭内の紛争解決や人の身分関係に変動を及ぼす事項は、この法律に基づき家庭裁判所で処理されます。成年後見人等の選任手続きもこの法律の規定に従い、手続きが進められます。

家庭裁判所

離婚,相続などに関する家庭内の紛争などの家事事件の審判や調停、少年保護事件の調査や審判を主に扱う裁判所のこと。
成年後見制度における後見・保佐・補助開始の申し立て等も、家庭裁判所に行うことになります。

家庭裁判所調査官

家庭裁判所において、家庭に関する事件の適切妥当な解決のために、心理学・社会学・教育学等の人間関係諸科学の知識や技法を活用して、紛争の当事者や非行を犯した少年に面接し、事実関係の調査を行い、必要に応じて心理テストやカウンセリングなども行って、その結果を裁判官に報告する裁判所の職員のこと。

看護と介護

一般用語としての看護は、療養上の世話や介護を意味しますが、改正民法第858条でいう「療養看護」は被保護者への身上監護事項のことであり、高齢者や障害者の身体的機能の低下などによりおこる生活上の困難に対し日常生活の世話や援助をおこなう事実行為の介護とは区別される。

義肢装具士

「(PO)Prosthetist and Orthotist 」
厚生大臣の免許を受けて、義肢装具士の名称を用いて、医師の指示の下に、義肢および装具の装着部位の採型ならびに義肢および装具の製作および身体への適合を行なうことを業とする者のこと。(義肢装具士法2条3項)
義肢とは、上肢または下肢の全部または一部に欠損のある者に装着して、その欠損を補てんし、またはその欠損により失われた機能を代替するための器具器械をいいます。(同法2条1項)
装具とは、上肢もしくは下肢の全部もしくは一部または体幹の機能に障害のある者に装着して、当該機能を回復させ、もしくはその低下を抑制し、または当該機能を補完するための器具器械をいいます。(同法2条2項)

旧法の経過措置(禁治産者、準禁治産者について)

旧法(改正前民法)の下での禁治産者ならびにその後見人および後見監督人は、改正法の施行により当然に、成年被後見人ならびにその後見人および後見監督人として新法(改正後民法)の適用をうけます。また、旧法の下での心神耗弱による準禁治産者およびその保佐人は、改正法の施行により当然に、新法の被保佐人ならびにその保佐人として新法の適用をうけます。
ただし、旧法における浪費による準禁治産宣告が確定した人は、新法で、浪費者が保佐開始の審判の対象者から除外されたことから、旧法の下での保護を維持するため、旧法の規定が適用されます。

居住用不動産

生活の本拠となる建物やその敷地のこと。
住民登録地にある不動産であるとは限りません。たとえば、現在は介護療養型医療施設に入所していて住民票もそこへ移していても、在宅が可能になったら、もと住んでいた建物に帰るというような場合には、現在住んでいない建物であっても居住用不動産となります。もちろん、自分が所有していない賃貸借契約で賃借している建物でも生活の本拠となる建物は居住用不動産です。

居住用不動産の処分

成年後見人、保佐人、補助人等が本人の居住用不動産(建物、その敷地)を本人に代わって、売却、賃貸、賃貸借の解除、抵当権の設定、またはこれらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可が必要です。
住環境の変化は、本人の心身に大きな影響を与えることから、家庭裁判所にその処分の可否の判断を仰ぐことになります。家庭裁判所の許可を得ないでした処分は無効と解されます。
任意後見人には、本人が、その代理権の範囲を自由に定めることができるので上記のような制限はありません。もっとも、任意後見契約で、居住用不動産の処分について、本人、任意後見監督人またはその他第三者の同意を要する特約は可能で登記をすることができます。同意を得ないで代理行為を行えば、無権代理になります。

禁治産制度

禁治産者の行為は、当時の意思能力の有無に拘わらず、これを取り消しうるものとして精神喪失者を保護すると同時に、その相手方に警戒を与えて取引の安全を図る制度のこと。(改正前民法)

禁治産宣告

「心神喪失ノ常況ニ在ル者」(意思無能力の状態が普通の状態にある者)に対して、家庭裁判所がなす禁治産の宣告のこと。(改正前民法)禁治産者のなした法律行為は、これを取り消すことができるとされ、禁治産者には後見人が付せられ、後見人は、禁治産者を療養看護するとともに財産上の行為について禁治産者のために代理する権限を有していました。
新しい成年後見法(改正後民法)のもとでは、禁治産者ならびにその後見人は当然に成年被後見人ならびに成年後見人として法律の適用を受けます。

クーリングオフ

一定の期間内であれば消費者が事業者との間で申し込み、または締結した契約を、一方的(無理由・無条件)に撤回・解除できるという消費者に与えられた権利のこと。撤回・解除は必ず書面で行わなければなりません。

グループホーム

地域社会の中にある住宅において、お年寄りや障害者が共同生活する形態のこと。
介護保険では在宅サービスに含まれ、要介護認定で「要介護1」以上に認定された人が利用できます。施設や病院に併設される「併設型」、民家を改造した「単独型」、ビルの一角やマンションのワンフロアを利用した「合築型」に分けられます。

ケアハウス

高齢者のケアに配慮しつつ自立した生活を確保できるように、車いすでの生活が容易であるなど工夫された住宅としての機能があり、生活相談・給食等のサービスを提供する軽費養護老人ホームの一種のこと。

軽費養護老人ホーム

無料又は低額な料金で、高齢者を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与することを目的とする施設のこと。(老人福祉法20条の6)
A型とB型に区分され,A型は給食サービスが付いていて、B型は自炊が原則となっています。

ケースワーカー

全国に約1200カ所ある福祉事務所で、私たちが事故や病気によって、突然生活する力を失い、自分ひとりではどうすることもできなくなってしまった時などに、相談にのり、問題の解決をはかってくれる相談員のこと。
福祉事務所では生活上の問題をかかえた人たちの話をくわしく聞き、福祉関係の法律などと照らし合わせて必要な援助の方向を決め、手続きをとります。援助の内容は生活費などの給付であったり、福祉施設への入所であったりとさまざまです。
児童福祉司や生活指導員・児童指導員といった名前で広い意味でのケースワーカーが働いています。

欠格事由(後見人等)

後見人、保佐人、補助人となることができない者として、民法に規定されている事項のこと。
次のの5つがあります。
・未成年者
・家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
・破産者
・被後見人・被保佐人・被補助人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
・不在者

言語聴覚士

「(ST)Speech Therapist」
厚生大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能または聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査および助言、指導その他の援助を行なうことを業とする者のこと。(言語聴覚士法2条)

限定承認

相続人の相続によって得た財産(プラスの財産)の限度においてのみ被相続人の債務および遺贈(マイナスの財産)を弁済することを留保してする相続の承認方法のこと。
相続財産に預金や不動産の他、多額の債務があるような場合に、相続開始地の家庭裁判所に申し立てます。
なお、この申し立ては、相続人全員(放棄をした者がいる場合は、残った相続人全員)で行うことが必要です。
また、相続が開始したことを知ったときから3か月以内(期間伸長ができる場合あり)に、相続開始地の家庭裁判所に申し立てなければなりません。

後見事務の報告

後見人が、本人の財産管理や療養看護の状況について、定期的に家庭裁判所に後見事務報告書を提出すること。
提出の時期などについては、ケースにより多少違いがありますが、半年から一年に一度定型用紙を用いて行います。
但し、財産の処分や遺産分割などがある場合は、事前に家庭裁判所へ連絡する必要があります。

後見登記事項証明書

法務局に登記された成年後見登記の内容を証明する書類のこと。
登記される事項は、法定後見では、法定後見の種類、本人と後見人などの住所・氏名、後見事務や代理権の範囲など、任意後見では、本人・任意後見人(または任意後見受任者)・任意後見監督人の住所・氏名、任意後見人の代理権の範囲などです。
証明書の交付手数料は1通につき1000円です。

後見命令の登記

後見開始の審判前の保全処分として、本人の財産上の行為につき財産の管理者の後見を受けるべきことを命ずる審判が、効力を生じたときに裁判所書記官がその審判に基づく嘱託登記を行うこと。

公証人

公証人とは、当事者の依頼により、金銭の貸借、不動産の売買・賃貸、損害賠償や慰謝料の支払いなど各種の契約書や遺言を公正証書として作成したり、会社の設立のための定款や私書証書の認証、確定日付の付与などの事務を行う法務大臣が任命する特殊な国家公務員こと。
契約書を公正証書で作成しますと強い証拠力が生じ、契約不履行の場合は判決書と同様に、速やかに差し押さえや取り立てできる効力があります。遺言書も公証役場で作成しておけば、遺言者の死亡後、家庭裁判所の検認を受けることなく、直ちに、その公正証書記載の遺言内容を実現することができます。
このように公証人制度は、私権を保護するとともに、将来の民事上の紛争を未然に防止する予防司法制度として大きな役割を果たしています。

公正証書

広い意味では、公務員がその権限に基づいて作成した一切の証書を、狭い意味では、公証人が権利義務に関する事実について作成した証書のこと。
ここでは、狭い意味での公証人の作成する公正証書について、説明します。
公正証書は、法務大臣が任命する特殊な国家公務員である公証人が作成する「公文書」で、その内容について、裁判などで極めて強い「証拠力」があるほか、「債務者が支払いを怠ったときは強制執行に服する」と記載されていれば「強制力」もあり、私署証書と違って、その法律上の役割が大きいのが特徴です。また、公正証書は、将来予測される紛争を未然に予防する役割も持っており、悲惨な遺産争いを防ぐための遺言公正証書はそのひとつです。

高齢者生活福祉センター

高齢者向けに、介護支援機能、居住機能および地域における交流機能を総合的に有する小規模の複合施設のこと。

戸籍の附票

戸籍と住所との連絡を図るものとして作成されます。
戸籍の表示、氏名、住所、住所を定めた年月日が記載され、本籍地の市区町村で管理しており、手数料を支払えばその写しを取ることができます。戸籍の附票には、住所の変遷が記載されているため、住所を証する書面や住所の変更を証する書面として使用されます。

さ行

財産の承継

本人の死亡によって成年後見制度における財産管理は終了します。残った財産を誰が承継するかは一般の相続手続きと同じです。

財産目録

被後見人の財産の種類(動産、土地、建物、預金など)、数量、価額、所在等の明細を記録した書面。
後見人が就任したときは、遅滞なく被後見人の財産調査に着手し、1か月以内に調査を終え、財産目録を調整しなければなりません。目録の形式には、特別な制限はないのですが、2通作成し、そのうち1通を家庭裁判所に提出することになっています。 (目録の一般的な用紙は家庭裁判所で入手可能)

在宅サービス

介護保険で受けることのできるサービスは「在宅サービス」と「施設サービス」に分けられます。
「在宅サービス」のうち、ホームヘルプサービス(訪問介護)・訪問看護・訪問リハビリテーション・デイサービス(通所介護)・デイケア(通所リハビリテーション)・ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)・グループホーム」「特定施設入所者生活介護(有料老人ホーム・ケアハウス)・福祉用具貸与などは、「居宅サービス」と呼ばれます。
「居宅サービス」の他にも、福祉用具購入費の支給・住宅改修費の支給といったサービスも在宅サービスに含まれます。
ホームヘルプサービス・デイサービス・ショートステイの3つは「在宅介護の三本柱」と呼ばれています。グループホームを除くサービスは、要介護認定で「要支援」以上に認定された人が利用できます。グループホームは、要介護認定で「要介護1」以上に認定された人が利用できます。

裁判所書記官

裁判所において調書の作成、訴訟記録の保管、送達などを行なったり、裁判官の命を受けて法令・判例などの調査を行なう裁判所の職員。

作業療法士

(OT)Occupational Therapist
厚生大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に、作業療法を行うことを業とする者のこと。(理学療法士及び作業療法士法2条4項)
作業療法とは身体または精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力または社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせることをいいます。(同法2条2項)

残存能力の活用

残存能力とは、障害者が残っている機能を発揮できる可能性のある能力のことをいいます。
判断能力(意思能力)についていうと、完全に失うことは稀で、何らかの残存能力を保持しているとされ、これを尊重、活用することが、障害者の自己決定権を尊重することになります。
成年後見制度は、判断能力の不十分な人を保護するための制度ですが、「残存能力の活用」を理念の一つにしています。

自己決定権の尊重

自分のことは自分が決めるということです。判断能力が不十分な方でも、援助する成年後見人などは、その方の欲求、意思に十分気を配り、援助しなければなりません。

施設サービス

介護保険で受けることのできるサービスは「在宅サービス」と「施設サービス」に分けられます。
施設サービスには、利用者の状態にあわせて、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設(療養型病床群など)の3種類があります。
施設サービスを利用できるのは、要介護認定で「要介護1」以上に認定された人に限られます。

市町村長の申立件

旧法の禁治産、準禁治産宣告の申立権は、市町村長にはありませんでした。
これに対して新しい成年後見制度では「市町村長は、65歳以上の者または知的障害者、精神障害者について、その福祉を図るため特に必要があると認めるときは、後見、保佐または補助開始の審判の請求をすることができる。」とされました。
「その福祉を図るため特に必要があると認めるとき」とは、本人に配偶者または四親等内の親族がなかったり、これらの親族があっても音信不通の状況にある等の事情により後見、保佐または補助開始の審判等の申立を期待することができず、市町村長が本人の保護を図るために申立をする必要がある場合をいいます。

視能訓練士(ORT)

(ORT)ORTHOPTISTS
厚生大臣の免許を受けて、視能訓練士の名称を用いて、医師の指示の下に、両眼視機能に障害のある者に対するその両眼視機能の回復のための矯正訓練およびこれに必要な検査を行うことを業とする者のこと。(視能訓練士法2条)

司法書士

身近な法律家として、依頼者に代わって法律上の種々の手続きを行い、権利や財産を守ることを職務とする者のこと。
判断能力が衰えた高齢者や障害者の権利や財産を守ることも職務の一環です。

社会福祉士(ソーシャルワーカー)

SW(social worker)
社会福祉士の名称を用いて、専門的知識および技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があることまたは環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、その他の援助を行うことを業とする者のこと。(社会福祉士及び介護福祉士法第2条1項)

社会福祉法人

社会福祉法によって設立され、主務官庁の認可を受けて社会福祉事業を行うことを目的とする法人のこと。

社団法人成年後見センターリーガルサポート

司法書士が法定後見人や任意後見人の人材バンクとして設立した公益法人のこと。
後見人などになるための一定の研修を受け、登録された司法書士により構成されており、家庭裁判所への法定後見人などの推薦、成年後見制度に関する各種相談業務、後見人などとなった登録司法書士の指導・監督を行っています。
リーガルサポートは全国組織で、各地に支部が設けられています。北海道内にも4支部が設けられており、「リーガルサポートさっぽろ」もその1つです。

準禁治産制度

改正前の民法による制度。
準禁治産者は、精神的、肉体的機能に障害があるので、完全な判断能力を欠く者のために、準禁治産の宣告をなし、保佐人の同意なしに為した財産上重要な行為は取り消すことが出来るとして、この者の利益を擁護する制度です。

準禁治産宣告

改正前の民法による制度。
準禁治産者とは「心神耗弱者」(精神能力が心神喪失の程度には至らないが普通人に比べてかなり障害のある者)及び「浪費者」(前後の思慮なく財産を浪費する性癖の強い者)であって、家庭裁判所から「準禁治産宣告」を受けた者です。準禁治産者には保佐人が付せられました。

消費者契約法

消費者トラブルを巡っては、消費者と事業者間における圧倒的な情報量、交渉能力の格差から生ずる不平等が存在し民法や個別の法律による解決には限界があったことから、消費者の利益の保護を図るため消費者契約法が制定され、労働契約を除く、消費者と事業者とが締結するすべての契約を消費者契約として適用対象としました(平成13年4月1日以降)。
契約締結過程の適正化と契約内容の適正化を主な柱としており、事業者がこれらの規制内容に違反した場合、消費者は契約の取り消しまたは無効を主張することができます。

ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)

介護をする方が一時的に介護できないときに、被介護者を施設で数日間預かってもらうサービスです。
介護保険で受けることのできる在宅サービスのひとつであり、ホームヘルプサービス、ショートステイと並んで在宅三本柱と呼ばれます。特別養護老人ホーム等の場合を「短期入所生活介護」、介護老人保健施設等の場合を「短期入所療養介護」といいます。

職業的後見人

法的概念ではありません。従来後見人には多くの場合配偶者や親族がなっていましたが、最近の社会状況下では、身寄りのない方、親族がいても遠方で世話が困難な場合、また親族間の利害対立のため親族の中に適任者がいない場合等があるため、第三者が業務として後見事務を引き受ける場合が想定されています。法が予定する職能としては、司法書士、弁護士、社会福祉士等です。これらは後見業務についての一定の研修をした上で業務を行うことになっています。

事理弁識能力

自己の行為の結果について合理的な判断をする能力、意思能力のこと。
今般の民法改正では、法定後見開始の審判をするにあたって、事理弁識能力の度合いによって制限能力者を三類型に分けることとし、「欠く常況に在る者=後見」「著しく不十分な者=保佐」「不十分な者=補助」の開始の審判をすることとしました。
なお、事理弁識能力を欠く常況に在る方は、時々本心に戻ることはあっても通常は意思能力を欠く状態の者も含まれます。

身上監護・配慮

成年後見人が成年被後見人の生活、療養看護、財産の管理を行うにあたって、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮すること。
旧来の禁治産制度や準禁治産制度では、財産管理を重視し「身上配慮義務」はほとんど留意されていませんでした。しかし、新しい成年後見制度では、本人の財産を管理することとともに本人の心身の状態や生活状況に配慮すべきことを重要視しており、成年後見人等に、その義務を課しています。

信託

財産管理の手法の一つ。
財産の管理や処分を他人に委託し、委託された人は、その財産から生じる利益を決められた人(受益者)に分配します。
財産を持っている人が判断能力が衰えた時に、その人自身を受益者とする信託の活用などが考えられます。

診断書・鑑定書

最高裁判所事務総局家庭局は成年後見事件に関して「新しい成年後見制度における鑑定書作成の手引」を示しています。そのガイドラインでは、精神上の障害の有無、内容及び障害の程度 自己の財産を管理・処分する能力回復の可能性を鑑定事項としてあげています。
同様に「新しい成年後見制度における診断書作成の手引」を示し、モデル例の診断書では、判断能力判定についての意見を記す欄が設けられ、後見・保佐・補助あるいはそのいずれにも該当しないかをチェックするようになっています。
実務では、法定後見・保佐・補助、任意後見監督人の審判申立時に、診断書の提出が求められています。また、法定後見・保佐開始の審判をするときには、明らかにその必要がない場合を除いて、鑑定をすることになっています。

審判前の保全処分

後見・補佐・補助開始の審判等の申し立てがあった場合、本人の財産の管理又は本人の監護等のために必要があるときは、家庭裁判所は申し立てにより、又は職権で、本案の申し立てについての審判が効力を生ずるまでの間、財産の管理者を選任したり、本人の財産の管理又は本人の監護に関する事項を指示することができます。

推定相続人不存在

戸籍の記載からは相続人が存在しない場合をいいます。
相続が発生した場合、誰が相続人になるか(推定相続人)は戸籍の記載によって推定されます。

生活保護

生活保護は国民が国家より保護を受ける権利であり、生活保護法は「憲法25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともにその自立を助長することを目的とする」と規定しています。

精神鑑定

後見開始又は保佐開始の審判をするには、明らかにその必要がないとき(本人が植物状態の場合、近接した時期に精神鑑定が行われている場合等)を除いて、本人の精神の状況について鑑定をしなければなりません。
鑑定人(医師等)は、家庭裁判所が指定をしますが、最高裁判所事務総局家庭局が取りまとめた「新しい成年後見制度における鑑定書作成の手引」により、費用の定額化、期間の短縮化が図られるようになりました。

精神障害者

精神分裂病、中毒性精神病、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者のこと(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条)   

精神保健福祉士

PSW(Psychiatric Social Worker)
精神保健福祉法第28条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健および福祉に関する専門的知識および技術をもって、精神病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、または精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行なうことを業とする者のこと(精神保健福祉士法2条)

成年後見監督人

成年後見人などがきちんと後見業務を行っているか、本人の保護に支障がないか、監督する人のこと。
法定後見では、必ずしも監督人が選任されるわけではありませんが、任意後見では監督人が必ず選任されます。

成年後見制度

認知症の方、知的障害のある方、精神障害のある方などで判断能力が不十分な方々を、法律面や生活面で保護したり支援したりする制度です。

成年後見登記

平成12年4月から施行された成年後見制度に伴い、取引の安全と本人のプライバシー保護(戸籍に能力制限が記載されていたこと)との調和から、禁治産宣告・準禁治産宣告の戸籍記載に代わる新しい公示方法として、成年後見登記制度ができました。(後見登記等に関する法律)
登記は、法務大臣の指定する法務局(現在は、東京法務局のみ)が登記所として、法定後見(後見・保佐・補助)に関する「後見等の登記」任意後見に関する「任意後見契約の登記」法定後見開始の審判前の保全処分に関する「後見命令等の登記」について、記録されています。
詳細は法務省ホームページ(http://www.moj.go.jp/)をご覧ください。

成年後見人

判断能力が全くない方のために選任される人です。日常生活に関する行為を除いて、本人に代わってすべての法律行為を行います。

選挙権

憲法によって、満20歳以上の成人による普通選挙、人種・信条・身分・財産などで差別されない平等選挙、だれに投票したか秘密が守られる秘密選挙の「選挙の三原則」が保障されています。国会議員の選挙権については、日本国籍を有する20歳以上の成人の男女全てが選挙権を持ちます。

相続の承認または相続放棄

相続の承認には単純承認と限定承認があります。
単純承認とは、相続人が、被相続人(死亡した方)の遺産を処分したり、後述の限定承認又は放棄をしなかったときには、無限に被相続人の権利義務を承継することとなり、これを単純承認といいます。
限定承認とは、被相続人の遺産が、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して相続を承認をすることです。つまり、被相続人の遺産がプラスかマイナスか不明の場合などに、もし、負債の方が財産よりも多い場合には遺産の範囲で負債等を支払うという相続の承認の一態様です。
限定承認は相続人が自己に相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所にその申述をしなければなりません。

相続放棄

相続の開始によって当然発生する相続効果が自己に帰属することを拒否する相続人の意思表示。
相続の発生によって、被相続人の財産に属した権利や義務(プラスとマイナス)は当然に相続人に帰属します。相続人は、ときに自己の意思に反して過大な債務を負わされる場合もあり得ます。そこで、このような場合に相続人を保護するために、法律上相続人と定められている者も、相続を希望していないときには、これを放棄して相続人の地位から離脱することができるものとしています。
相続放棄は、相続人は自己に相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所にその申述をしなければなりません。

贈与

当事者の一方(贈与者)が自己の財産を無償で相手方(受贈者)に与える意思を表示し、相手方がそれを受諾することによって成立する契約です。
特殊な贈与として、負担付贈与(受贈者が負担を負う贈与)、死因贈与(贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与)があります。

た行

代理権

本人に代わって他の人が契約などの法律行為をすることができる権利のことです。
成年後見人には、成年被後見人の財産に関する全ての法律行為について、広く代理権が与えられます。
保佐人・補助人には、裁判所が認めた特定の事項について代理権が与えられます。

短期賃借権

賃貸借は処分行為ではありませんが、期間の長い賃貸借は処分行為に近い効果がでてくるので、処分の能力を持たない者(被保佐人)又は権限を持たない者(後見監督人が付いている後見人、不在者の財産管理人、相続財産管理人、権限の定めのない代理人など)が管理行為としてする賃貸借を短期賃貸借といいます。
植林用の山林で10年、その他の土地では5年、建物では3年、動産では6ヶ月以下の賃貸借をいいます。

知的障害者

法律上の定義はありません。乳幼児から現れる知的能力の発達の遅れた状態の人。
出生前、出世時、出世後のさまざまな原因でおこり、学習・社会適応・日常生活に支障が生じているために段階(最重度、重度、中等度、軽度)に応じた援助が必要です。

デイケア(通所リハビリテーション)

お年寄りや障害者がデイケア施設に通所して受けることができるサービス。
心身機能の回復、維持を目的とする計画的な医学的管理の下の入浴・食事等の介護や機能訓練等が行なわれます。介護保険で受けることのできる在宅サービスのひとつです。デイサービスとは異なり、リハビリテーションに重点が置かれています。

デイサービス(通所介護)

お年寄りがデイサービスセンターに通い、入浴・食事・健康チェック・日常動作訓練やレクリエーションが行なわれます。介護保険で受けることのできる在宅サービスのひとつであり、ホームヘルプサービス、ショートステイと並んで在宅三本柱と呼ばれます。

同意権

本人が契約などの法律行為をすることについて、他の誰かの承諾が必要とされている場合のその承諾する権利のこと。
保佐人には、本人が行う重要な法律行為(不動産など重要な財産を処分すること、借り入れをしたり他人の保証人となること、遺産分割協議をすることなどで、何が重要な法律行為にあたるかは民法に定められています。)について、同意権が与えられます。
つまり被保佐人(本人)が重要な法律行為を行うには、保佐人の同意を得ることが必要となります。
これに対し補助人には、本人が行う重要な法律行為のうち、裁判所が認めた範囲内で同意権が与えられます。

登記印紙

成年後見に関する公示は、登記という手法で行われます。成年後見が開始したとき、変更があったとき、終了したとき、登記がなされます。その際の手数料は、登記印紙(収入印紙とは違います)を貼って納めます。また、成年後見に関する証明書を請求する際も登記印紙を手数料として貼付します。

登記されていないことの証明書

その人について法務局に成年後見登記がされていないことを証明する書類。
この証明書を契約の相手方に提示することにより、自分が成年後見や保佐などを受けていないことを証明することができます。なお、この証明書の交付手数料は1通につき500円です。

登記所

登記事務を担当する官署(国家機関)をいいます。
しかし、登記所という名称の官署が現実に存在するのではなく、実際には法務局、もしくは地方法務局またはそれらの支局もしくは出張所が、登記所として登記事務を担当することになっています。

登記済権利証

土地や建物を購入したり、建物を新築したときは法務局に自分の所有権を登記して公示します。その登記の時に法務局が受付年月日、受付番号、法務局の認証印を押印して交付される証書で、一般的に「登記済権利証」と呼ばれますが、不動産登記法上の用語ではありません。
ほかに、土地の合筆や、建物の合棟の登記をした時に交付される証書も登記済権利証です。
土地を分筆したときの登記済証、所有権の登記簿上の住所を現住所に合わせるための住所変更登記の登記済証や地目変更したときの登記済証は、権利証ではありません。

登記の嘱託

成年後見に関する登記は、嘱託によってなされる場合と申請による場合の2種類あります。(登記の)嘱託とは、家庭裁判所の書記官や公証人から登記所に登記手続きがなされるケースでの用語です。関係当事者から登記手続きがなされるときは、(登記の)申請といいます。

特別代理人

後見人と被後見人の間で、たとえば被後見人の財産を後見人に売却したり、後見人の債務について被後見人が保証するような利益の相反する行為をする場合、後見人は被後見人を代理する権利はありません。
このような場合で後見監督人がいるケースでは、後見監督人が本人の代理人となりますが、後見監督人がいない場合は、家庭裁判所に被後見人のために特別代理人を選任してもらい、その特別代理人が被後見人を代理することになります。(保佐・補助の場合も同様の規定があります)
しかし、後見人と被後見人間の行為であっても、被後見人にとって利益となるだけの行為(後見人の財産を被後見人に贈与するなど)の場合は、利益相反行為としての制限を受けません。この制限は、被後見人の利益を守るためのものだからです。

特別養護老人ホーム

65歳以上の身体もしくは精神上著しい障害があるため、常時介護を必要とするが、居宅において適切な介護を受けることが困難な者を入所させて養護する施設。
なお介護保険の導入にともないそのサービスとしての利用が基本となります(老人福祉法20条の5)

取消権

契約などの法律行為を一旦行ってしまっても、その契約などを初めからなかったことにすることができる権利のこと。
判断能力が不十分なために必要のない契約などをしてしまった場合に、この取消権を行使することになります。
成年後見人には、成年被後見人(本人)が行った契約などの法律行為について、広く取消権が与えられます(但し、「日用品その他日常生活に関する行為」については取消権は認められていません。)。保佐人・補助人には、同意権が与えられるのと同じ範囲で、取消権が与えられます。

な行

任意後見監督人

任意後見人を監督する人。任意後見契約が締結されたのち、本人の意思能力が衰えて契約を発効させたいときは、家庭裁判所にこの任意後見人監督人の選任を申請します。そして、任意後見人監督人は、監督の経過を家庭裁判所に報告します。

任意後見契約の登記

本人が判断能力の十分な間に、将来に備え契約でもって、自分の後見人を務める人、その人に何を任せるかを決めておこうと言うもので、本人の意思の尊重、自己決定の理念に基づいて、公正証書により契約をします。公証人はこの契約に基づいて嘱託によって登記をしなければなりません。

任意後見制度

元気なうちに、将来どのように暮らしたいか、誰に支援して欲しいかを契約によって前もって決めておく制度です。自己決定権の尊重という観点からも、今後の活用が期待されます。

任意後見人

任意後見契約の一方の当事者で、契約によって決められた法律行為を、本人に代わって行います。ですから、十分に本人と任意後見人の信頼関係を作っておく事が大切です。

年金

年金には、大きく分けて3つの種類があります。
1つめは、国が社会保障の給付として行う「公的年金」と呼ばれるもので、国民年金・厚生年金保険・共済年金があります。
2つめは、企業が従業員の定年退職後の生活の安定を図るために行う「企業年金」で、代表的なものは厚生年金基金や税制適格退職年金です。
3つめは、個人が自分の責任と計画に基づき老後の所得保障の準備をする「私的年金」と呼ばれるもので、生命保険会社等の個人年金保険などがこれにあたります。

能力の判定

後見または保佐の開始の審判をするには、精神上の障害により、本人が判断能力を欠く状況にあること、または本人の判断能力が著しく不充分もしくは不充分であることを要するので、家庭裁判所は本人の判断能力を判定するため、明らかにその必要がないと認める場合(本人がいわいる植物状態であると医師が診断している場合等)を除き、医師等に鑑定させなければならないとされています。
補助または任意後見は、本人が不充分であるが判断能力を有していて、本人の申立または同意に基づいて開始する制度であり、本人の行為に対する制約も後見や保佐より少ないので、原則として鑑定は要せず、医師の診断書等で判断されます。この診断書は本人等が直接医師に依頼して作成してもらいます。
以上の鑑定または診断書作成の費用は、本人の負担となります。

ノーマライゼーション

障害のある人も、家庭や地域で普通の生活を送ることができる社会を作ろうという考えのことです。成年後見制度の理念の1つです。

は行

破産

破産手続は、債務者が支払不能・債務超過に陥った場合に債務者の総財産をもって債権者に対して公平に配当する裁判上の制度です。債務者が自ら裁判所に申し立てる場合は自己破産と呼ばれています。破産には個人破産と法人破産があり、ここ数年個人破産(いわゆる消費者破産)が急増しています。

複数後見

支援を必要とする人(本人)1人に対して、後見人や保佐人・補助人が2人以上選任されることです。
今までは、後見人や保佐人はいずれも1人でなければならないとされてきましたが、新しい成年後見制度の下では、複数の後見人や保佐人・補助人を選任できるようになりました。

変更の登記

任意後見契約の締結の登記がされた後に、婚姻・転居等により登記事項の氏名・住所等に変更が生じたときは、登記に記録されている本人.成年後見人.本人の親族等の利害関係人等が変更の登記の申請をする必要があります。

法人後見

法人(公益団体など)が後見人や保佐人に選任されることです。
新しい成年後見制度で、法人を後見人や保佐人に選任できることが明確に定められました。
個人よりも法人を後見人・保佐人に選任することにより、より長期的・継続的な支援が可能となるケースも考えられます。

法定後見制度

判断能力が不十分な方々のために、家庭裁判所が援助する人を選任する制度です。判断能力の差に応じて、後見、保佐、補助の3つの類型があります。

法定後見と任意後見の違い

法定後見は今現在、判断能力が衰えている本人のために支援する制度であるのに対し、任意後見は、今は元気だが将来に備えて、自分の後見人を決めておこうと言うものです。自己決定権の尊重という観点からは、任意後見の活用が期待されます。

法定相続

遺遺言がない場合の相続のこと。民法で相続人と相続分が定められていますので、そのとおりの遺産分配をしたときに法定相続をしたと言います。

法律行為

法律は、私たちの社会生活のきまりですが、社会生活のすべてをカバーするものではありません。しかし、大部分、契約その他の法律行為によって営まれています。法律行為の代表的なものは、売買、貸借などの契約ですが、そもそも「法律行為」とはなんでしょう。
抽象的にいうと、当事者の希望する意思どおりの法律効果が認められる合法的な行為をいいます。
具体例で考えましょう。書店で本を買う行為は、売買契約(民法555条)という法律行為です。「この本下さい(買いましょう)」という申込みの意思表示と「ありがとうございます(売りましょう)」という承諾の意思表示によって成立し、それにより、売主から買主に本という財産の移転の効果を生じ、買主から売主に代金支払いの義務が生じます。
こうして、民法(法律)の定めに従い、有効・合法的に発生した効果が達成されないとき、例えば代金未払のときは、法の力(裁判)によって保障・実現されることになります。

法律行為の取消

法律行為の取消とは、法律行為の成立要件に瑕疵(法律、当事者の意図する状態を欠いていること)があるため、一旦発生している法律行為の効力を特定の者(取消権者)の取消によって、行為のときにさかのぼって消滅させ、無効とすることをいいます。
瑕疵がある場合として、行為無能力(民法4条、9条、12条、16条)、詐欺(民法96条1項)、強迫(96条1項)などがあります。行為無能力のみ説明すると、「未成年者」「成年被後見人」「被保佐人」「被補助人」が単独でなした法定の範囲の法律行為は取消すことができます。なお、取消の用語は申込の取消(民法521条、524条)の場合のように、法律行為の「撤回」の意味で使われる場合があるので、注意が必要です。

法律行為の無効

法律行為の無効とは、形式的に成立したかに見える法律行為の効力が当初から発生しないことをいいます。
無効とされるのは、明文上、公序良俗違反(民法90条)、悪意有過失の場合の心理留保(民法93条ただし書)、虚偽表示(民法94条1項)、要素の錯誤(民法95条)、追認のない無権代理(民法113条1項)があるほか、解釈上、意思無能力、目的の不能の場合も無効とされています。意思無能力について例をあげると、痴呆状態になった者がした遺言は、無効とされます。

ホームヘルプサービス(訪問介護)

日常生活に支障があるお年寄りや障害者の家庭を訪問して、介護や家事サービスを提供するもの。介護保険で受けることのできる在宅サービスのひとつであり、デイサービス、ショートステイと並んで在宅三本柱と呼ばれます。食事・排泄・衣類の着替え・入浴・洗髪などの介助を行う「身体介護型」、調理・衣類の洗濯・清掃・生活必需品の買い物などを行う「家事援助型」、両者が同時に提供される「複合型」の3種類に分かれます。

保佐人

判断能力が著しく不十分な方のために選任される人です。一定の重要な行為について、本人に同意を与えることができ、また、あらかじめ決められた特定の法律行為を、本人に代わって行うことができます。(民法11条~)

補助人

判断能力が不十分な方のために選任される人です。あらかじめ決められた特定の法律行為について、同意を与えたり、本人に代わって行うことができます。(民法14条~)

ま行

民法

私人間の法律行為の基本を定めた法律。1044条にのぼる条文と附則があります。施行されたのは明治29年4月ですが、何回となく改正され、新しい成年後見制度も平成12年4月から施行の改正民法の定めです。

民法12条1項所定の行為

保佐を必要とする人が、保佐人の同意を得なければ自分自身では出来ないとされている行為。民法12条1項に法律上重要な行為が列挙されています。

や行

遺言

遺言は、本人の意思を、本人が死亡した後も尊重する財産承継の方法です。
遺言は、満15歳以上になればでき、医師2人以上の立会があれば成年被後見人(本人)であっても判断能力が一時回復していればすることができます。
普通の遺言の方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があり、次のような特徴、長所・短所があります。

【自筆証書遺言】
 ・全文、日付、氏名を自ら記載するので、秘密が守られる。
 ・費用がかからない。
 ・死後に家庭裁判所の検認手続きが必要。
 ・偽造、変造、紛失、隠匿のおそれがある。
 ・記載について方式違反、内容不明等で無効になる場合がある。

【公正証書遺言】
 ・公証人役場に本人が出向き、公証人に作成してもらう。
 (本人が病気等の場合は出張してもらえる)
 ・費用を要する。
 ・遺言の内容を公証人に口述。
 (聴覚・言語障害者は、手話通訳、筆談が可能)
 ・証人2人以上の立会が必要。
 ・原本は公証人役場に保管され、偽造、変造、紛失、隠匿のおそれがない。
 ・家庭裁判所の検認手続きが不要。

【秘密証書遺言】
 ・遺言を作成したことだけ公証される。
 ・その他は、自筆証書遺言と同じ。
 ・長所はあまりなく、現在あまり用いられていない。

以上のように、公正証書遺言がもっとも安全で確実な方法といえます。

遺言執行

遺言の内容を法律的に実現することを、「遺言の執行」といいます。
遺言の内容によっては、認知、相続人の廃除またはその取消、遺贈、寄附行為等、これを実現するために一定の行為を必要とするものがあります。このような遺言内容を実現するために、遺言で指定されまたは遺言で指定を委託された者から指定され、あるいは利害関係人の申立により家庭裁判所から選任された者を「遺言執行者」といいます。遺言内容によっては、相続人の利益と相反する場合があり、相続人に遺言の執行をさせると不都合な結果をもたらすおそれがあるために生まれた制度です。遺言執行者は、民法上相続人の代理人とみなされますが、遺言執行者が存在すれば、相続人といえど、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げる行為を一切することができなくなります。

有料老人ホーム

常時10人以上の高齢者を入所させ,食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与する施設。(老人福祉法29条)

養護老人ホーム

65歳以上の人で、身体もしくは精神上又は環境上の理由及び経済的理由で居宅において養護を受けることが困難な場合等であって、被保護世帯か市町村民税所得割非課税世帯に属する者を入所させて養護する施設。(老人福祉法20条の4)

四親等内の親族

1.親族とは民法で親族の範囲を定めており、親族の範囲は、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族となっています。(民法725条)
2.血族とは文字通り自分との血縁関係がある者で、自分の父母・祖父母・子・孫等の直系血族と兄弟姉妹・甥姪・叔父叔母・従兄弟姉妹等の傍系血族のことです。養親子関係は血のつながりはありませんが血族となります。
3.姻族とは自分の配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・甥姪・叔父叔母等のことです。
今般の民法改正では、4親等内の親族にも法定後見等の申立権が与えられています。

ら行

利益相反行為

特別代理人の説明を見てください。

理学療法士

(PT)Physical Therapist
厚生大臣の免許を受けて、理学療法士の名称を受けて、医師の指示の下に、理学療法を行うことを業とする者(理学療法士及び作業療法士法2条3項)
理学療法とは身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、および電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう(同法2条1項)

リバースモーゲージ

主に高齢者が、マイホームを担保に金融機関や自治体等から限度額範囲内で毎月お金を借りて生活費に充当し、限度額一杯になったとき、あるいは死亡したときは不動産を処分して、一括返済する方法。

老人休養ホーム

高齢者のための休養・宿泊施設として、気楽に利用出来るように一般の国民宿舎よりさらに低料金になっています。

老人短期入所施設

65歳以上の者であつて、養護者の疾病その他の理由により、居宅において介護を受けることが一時的に困難となつたものを短期間入所させて養護する施設。(老人福祉法20条の3)

老人デイサービスセンター

65歳以上の者であつて、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障があるものを通わせ、入浴・食事の提供、機能訓練等、また介護の方法の指導などをする施設。(老人福祉法20条の2の2)

老人福祉センター

無料又は低額な料金で、高齢者に関する各種の相談に応ずるとともに、高齢者に対して、健康の増進、教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設。(老人福祉法20条の7)