リーガルサポートの誕生
司法書士は、「法律実務家」として積み重ねた知識と経験を、高齢者や障がい者の権利擁護活動に役立てたい、そんな思いから、社会福祉士会をはじめとする社会福祉関連団体とも連携し、いち早く「成年後見制度」の研究と啓発事業にかかわってきました。
1996年には他団体に先駆けて、判断能力が衰えた方を支援する人を養成し供給する組織「財産管理センター」構想を発表し、多くの自治体や福祉関係者等に大きな反響を呼ぶことになりました。また、成年後見先進国であるカナダ・アメリカ・ドイツの制度を視察し、新しい権利擁護システムを模索すると同時に全国各地でシンポジウムを開催し、その必要性を訴えてきました。こうして司法書士は、次第に高齢者や障がい者の権利擁護活動を行う専門家として認知されました。そして、「成年後見制度」が施行されるのに先駆けて、この制度の受け皿として誕生したのが、「社団法人成年後見センター・リーガルサポート」です。
リーガルサポートは、1999年12月に法務省に設立許可された社団法人であり、「高齢者、障がい者等が自らの意志に基づき安心して日常生活を送ることができるように支援し、もって高齢者、障がい者等の権利の擁護及び福祉の増進に寄与することを目的」としています。
リーガルサポートさっぽろ
リーガルサポートは、現在会員数7,000名を数え、各都道府県に1つずつ(北海道は4つ)、全国50の支部がそれぞれの地域の実情を反映した活動を行っています。そのひとつがリーガルサポートさっぽろです。リーガルサポートさっぽろの構成員は、札幌・石狩・北広島・千歳・小樽・岩見沢・苫小牧・室蘭等、道央圏に事務所を置く司法書士が会員となっています。支部長以下、総務・渉外・研修の各副支部長、担当幹事、会計幹事で役員会を構成し、成年後見制度の啓発活動、自治体・福祉関連団体との連携、会員に対する研修等の事業を行っています。
リーガルサポートさっぽろでは、一定の厳しい研修(財産管理・福祉・医学等)を履修した会員を後見人候補者名簿に登録しています。さらに、2年毎に更新時研修を履修しなければ名簿から抹消されることになっています。これは、名簿登載した会員が一定の水準を保っていることを保証するものです。成年後見制度を利用したい場合には、この「後見人候補者名簿」の中から会員を紹介することができます。また、この名簿は家庭裁判所にも提出してありますので、法定後見制度を利用したいが依頼できる後見人候補者がいないという場合にも安心して利用することができます。